凡愚モン日記

オッサンの独り言ブログ。何にでも興味を持ち、一つの事に拘らない(長続きしない)薄ーく・広ーい内容が自慢のブログ!

知る悲しみ(その2)

 人間、類人猿(チンパンジー(ボノボ)、ゴリラ、オランウータン)とサル、この3種の遺伝子を比較すると、人間と類人猿の差が2%未満、類人猿とサルが3%以上異なるという話を京大総長がされていました。なっ何ですと~!、チンパンジーとかはサルより人間に近い、つまり人類のお仲間になるとのことでした(冷静に考えれば、だから「類人猿」という呼称なんですよ)。しかし、どう見てもサルですよね。面白いなと思ったのが、チンパンジーは群れています。つまり小さな社会を単位に行動し、ゴリラとオランウータンは家族単位で行動しているという違いがあると言うことです。チンパンジーに家族という単位がないということは、母子は分かるのですが、父親が誰か分からず、群れ全体が父性を提供するということらしいのです。一方のゴリラは家族単位社会しか存在しません。

 どちらが高等なのか、ヒトはそのハイブリットですよね。家族単位ではありますが、社会も構成している。流石、人類!と思っていましたが、そもそも、アフリカの密林で生活していた我等のご先祖様がどうして平原に降り立ったのか、知的好奇心ではなかったことは明らかです。理由は簡単、生活し易いジャングルから天敵の多い草原に出たのは、やはり生存競争に敗れたためです。つまり、ご先祖様はチンパンジーやゴリラとの競争に敗れ、草原に放り出されたのです。前回書いた、海に敗走したサクラマスと同じなんです。 生物の世界、生存競争というのは面白いですな。一度、生存競争に敗れた種が苦難を乗り越え、強い種としてカンバックしてくる。よくよく調べたらこういうケースというのはよくあることじゃないのかと思ってしまいます。

 やはり「強いものが生き残るのではなく、変化に対応できるものだけが生き残るのだ」というダーウィンの言葉は核心を突いていますな。人間も生物ですから、人間社会に当て嵌めてみると一生懸命勉強して東大に入り、大蔵省はいった、ここまでは生存競争の頂点(少し前の話ですよ)に君臨したのですが、その後、官僚の不祥事や天下り、国民からの尊敬感の激減等、環境の変化により生存競争の頂点ではなくなったということでしょう。ただ、歴史に学べば東大・大蔵官僚もご先祖様のようにジャングル(国内)を捨て草原(海外)に踏み出していけば、ごく一部は再び、生存競争の頂点を極めることができるということでしょうか。

 企業組織も同様なんでしょう。いつまでも国内市場での競争に明け暮れていると、その市場競争に敗れた企業が海外へ逃れ、そのごく一部が最強チャレンジャーとなって国内市場に再参戦してくるということでしょう。弱肉強食と言われる生存競争も負ければ終わりという単純なものでなく、複雑系なんですな。